フリーエリア2


「オスカル…。入るよ?」ノックとともにアンドレの声が聞こえる。うぅ…。胸がイタイ。まだ入らないでくれ…。アンドレ。まだ胸の痛みがおさまってないのだ。
「オスカル?」アンドレがまたノックをしてる。
「…入れ…。」…やっと言えた。「入れ」と一言いうだけでこんなに緊張するなんて。いったい私はどうなっているのだ?アンドレ相手にこんなにドキドキするなんてまるで恋に気付いたばかりみたいに。…気付いたばかり…?気付いた…ばかり……。………………!そうだ。婚約披露宴の時のあの庭園での出来事の時…。アンドレ…ちょっと強引な感じ…だった…。そう…それだ…。ドキドキするワケ。あの時,自分の知らないアンドレを知ったんだ。今考えてみると…《星の入り江》というロマンチックかつ神秘的な庭園でちょっと強引なアンドレから……。きゃぁ!!頼む!!アンドレ!!今あまり強引なことをしないでくれ。お前の腕のなかでポックリ逝きそうだ!!「……カル。おーい!オスカル!どうした?俺の顔に何か付いているのか?オスカール!戻ってこーい!!」……はっっっ!!いかんいかん。アンドレが目の前にいたのだな。
「あ…。な…何か?何か言ったか?アンドレ。」
ドキドキしながらアンドレに聞いてみる。
「今夜…さ。お前の部屋にいてもいいか…?」
「?」
「だから,さ,今夜はお前の部屋にいてもいいかって聞いてるんだけど…。まあ,お前がダメって言うんであれば今夜は諦めるけど。どうする?」
今夜…一晩……わ…私の…部屋…で……。私の部屋で……!お前と私の部屋で一晩過ごせと…!
ムリ!!ムリ!!ムリ!!絶っっ対にムリ!!ソッコー蹴り飛ばしてる!!あ…でもこの機会を逃したら私から声をかけなければいけないし…。…よし…!
「わかった…。アンドレ。…でも結婚前の男女に相応しい純潔な間をとって…だったら私は許可する…。」
アンドレが急にオスカルを抱きしめながら,
「大丈夫だよ。俺が眠っているお前によこしまなことをすると思うか?ん?」ん~?それもそうだな。…でもこいつには前科があるのだぞ。大丈夫かな…?
スポンサードリンク


この広告は一定期間更新がない場合に表示されます。
コンテンツの更新が行われると非表示に戻ります。
また、プレミアムユーザーになると常に非表示になります。