昔
あなたに会ったことがあるのよ

まだ小さかったあの子を連れて一度だけ母を訪ねた帰りに

冬枯れの木立の中で勇ましく剣を振り回している天使さまに出会ったの

陽の光を浴びてきらきら光る金の髪

雪の肌

この世の禍々しいものを全て打ち砕く清冽な青の瞳

その天使さまは男の子の形なりをしていたけれど
一目で女の子だと判ったわ

あの子の黒い髪をとても気に入って
引っ張って

あの子ったら散々べそをかいたのにその夜私に訊いてきたの

────また天使さまに会える？────

あの時の天使さまが
あの子のお嫁さんになるなんて

ありがとう

あの子を護ってくれて

これからもその輝きであの子の人生を照らしてあげてね

小さな天使さまへ

この広告は一定期間更新がない場合に表示されます。
コンテンツの更新が行われると非表示に戻ります。
また、プレミアムユーザーになると常に非表示になります。