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アンドレが薫さんと付き合うなんて…!薫さん…!怖かった!美しい人だと思っていたから…!とても怖く見えた!あの意地悪い目…あの意地悪い言葉…!
なんという屈辱!!私は陰口は叩かれたことはあるけれど,あんな罵倒は聞いたことはなかった!!
悔しい…!アンドレを奪われ,罵られ私は…!私は…!
次から次へと涙がこぼれて…!
アンドレ…!アンドレ…!ひどいよ…。忘れるなんて…!
「ばあやさん…。オスカルはどうしているかしら?さっき真っ青になって帰ってきたのだけれど。」「はい…それが…頭が痛むから休みたいと言ってお部屋に閉じこもってしまわれて…。」
「そう…。わかったわ。しばらくそっとしてあげてちょうだい。」真っ青になって帰ってきた娘。おそらく泣くのをこらえていたのだろう。瞳には涙が溜まっている。あの藤稔薫という少女が原因かしら。姫川亜弓と異名をもつ少女。父親が映画監督,母親は元宝塚歌劇団員で女優の藤稔小百合。
彼女は娘に何をしたのかしら?彼女が娘に敵対心を持っているのは知っているのだけれど,その理由を知りたい。…明日,病院へ行って聞いてみよう。そしてアンドレを諦めさせなければ。
「…マリア,わるいけど紅茶を淹れてくれる?レモンティーがいいわ。薄く切ったレモンを浮かべて…。それから今日私が作ったラベンダーのキャラメルとクッキーを持ってきてちょうだい。オスカルのお部屋へ行くから。」
「わかりました。すぐにご用意致します。」
オスカル…。忘れなさい今は…!藤稔薫のことを,アンドレのことを…!あなたはアンドレが戻るのを待っていればいいの。
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